「お前ら、バンドやるらしいな」
俺は碧に聞いた。
すると、碧はなぜか青ざめ、
「素人の下手ですから、遠藤先輩は来ないでください」
などと言う。
来ないでください?
……ふざけんな。
お前らの実力を見るために、行くに決まってんだろ。
俺は碧の忠告など無視して、奴らのライブを見に行った。
衝撃的だった。
確かに音はバラバラで、お世辞にも上手いとは言えないステージだった。
そして、明らかに俺を話題にした、名誉毀損ともいえる歌を歌っていた。
だが……
俺は不覚にもそれに惹かれてしまった。
俺だけではない。
一年生から三年生まで、みんなが奴らに乗せられ、手を振り上げていた。
奴らは俺にはない能力を持っている。
何だか分からないが、きらりと光るものがあった。



