「俺はお腹の赤ちゃんを感じることも出来ないし、産むことも出来ない。
全部唯ちゃん任せなんだよ?」
「……なんで……」
「俺は唯ちゃんと子供たちのために、お金を稼ぐことしか出来ない。
正直悔しいんだよ」
「……」
「だから、俺は自分の出来ることをして。
安全で快適なところに家を買って、四人で暮らそうよ」
そうなんだ……。
蒼、そんなことを思っていたんだね。
なんだか蒼に申し訳ない。
でも、どこまででもあたしを大切にしてくれる蒼に胸をぎゅっと掴まれる。
あぁ、蒼、大好きだよ。
言葉で言い表せないほど、すごくすごく。
「無理しないでね」
そう告げると、蒼は優しく微笑んだ。
「大丈夫。
俺には唯ちゃんと双子がいるから。
きっと上手くいくよ」
あたし、思うんだ。
子供を産んだら女性はお母さんになるって。
男性への気持ちは弱くなるって。
でも、そんなことないよ。
あたしはお母さんになっても、おばあちゃんになっても、きっと……絶対蒼が好き。
どんどん好きになる。
あたしもね、きっと元気に子供を産むことが出来る。
あたしの側には蒼がいてくれるから。