「何言ってんの?
俺が無理してるように見える?」
蒼はそう笑いながらアイスを冷蔵庫にしまっている。
だけど、その笑顔もどことなく暗い。
あたし、気付かなかった。
お腹の赤ちゃんに夢中で。
蒼が何を思って何をしているかなんて気にしていなかった。
「戸崎さん、最近おかしい。
仕事が鬼のように早くなったし、定時で帰るし。
Fのほうも忙しいんでしょ?」
蒼が定時で帰っている?
そんなこと知らなかった。
だって、帰ってくる時間はいつもより遅いから。
だけど蒼は、
「F?何それ」
なんて飄々と笑っていて。
「フーリガン戸崎の略?」
なんて意味不明なことを言う。
だから、案の定中山さんは怒ってしまう。
顔を真っ赤にして怒鳴る。
「喧嘩売ってるんですか?
あー、イラつく!
こんな男が超天才カリスマ絶対完璧な碧なんて」
「訳分かんないし。
中山、俺に似てきたね」
珍しい蒼のツッコミ。
そして、蒼は衝撃的なことを言った。
「それに、今まで黙っててごめん。
……俺は碧じゃないんだ」
「え……」



