やった!
妖怪がいなくなる!!
普通だったらそう思ったに違いない。
邪魔で鬱陶しかった妖怪。
そんな妖怪がいなくなるなんて、天国へ行ける気持ちだ。
だけど……
「もう少しいられない?」
俺はそんな言葉を吐いていた。
妖怪は少し驚いたように俺を見る。
「もう少しここにいて、唯ちゃんを見守っていてくれない?」
俺は仕事にも復帰している。
こんな不安定な状況の中、身重の唯ちゃんを一人にしてはおけない。
だから……
例え妖怪だって、唯ちゃんの側にいて、唯ちゃんを守ってもらいたい。
どこか安心出来る場所へ引っ越すまで。
「仕方ないな」
妖怪は薄笑いを浮かべて俺に言う。
「あんたはウザいけど、唯ちゃんのためだから」
最後まで皮肉たっぷりの妖怪に、
「ありがとう」
俺は笑顔でお礼を言っていた。



