『Fと俺と』
黒色の表紙に、白色の文字でそう書かれてあった。
そして、遠藤優弥。
優弥さんの本名だ。
その字を見るだけで、鼓動がバクバクと速くなった。
本名で出版するなんて。
そこには、優弥さんの本気やこだわりが伺える。
そしてあたしはページを開き……
その、優弥さんの世界へと入っていった。
ー奴らに会えたことが、俺の全ての始まりだった。
そんな言葉から始まり、優弥さんの幼少期の出来事が綴られていく。
太りやすい体質であること。
太っているからといじめられたこと。
いじめに勝つために、性格が悪くなったこと。
だけど、彼女は出来なかったこと。
だから、モテるためにギターを始めたこと。
その話のいくつかは初めて聞くような内容で、へぇーと頷きながらページをめくった。
そして、時は優弥さんが高校二年生の時にさしかかる。
ー奴らを見た時、マジでふざけた野郎だと思った。



