生活用品や食品の買い物に行き、車を駐車場に停める。

そして、後部座席から荷物を出す。

それを両手に持って車から離れようとした時だった。




パシャッ!!




夕闇の中、フラッシュが光った。

思わず硬直する俺。

また記者だろうか。

悪いけど、探っても俺からは何も出てこないのに。




そう思ったが、






「キャー!」




悲鳴が聞こえる。




「マジ?本物?」



「やばっ!超かっこいい」





ネギが出た買い物袋を持っている姿を見てかっこいいとか……

心の中で突っ込みを入れたが、やっぱり気分は良くない。

ファンでいてくれるのは嬉しいけど、プライベートまで押しかけてくるなんて。





俺は彼女たちに背を向けて、足早にマンションへ入った。

そして、玄関のドアを開けた時、




「あんた、マジで何してんの!?」




妖怪の怒り狂った声が聞こえた。