ー蒼sideー
ゆったりと年末年始が過ぎていった。
唯ちゃんの容態は日に日に悪くなり、結局帰省せず東京で過ごした。
唯ちゃんと一緒にテレビを見た。
妖怪はテレビに出っ放しだった。
賢一から豪華なおせちをもらったが、唯ちゃんはかまぼこしか食べられなかった。
そして、食べたものを戻す……いや、何も食べられなくてもひたすら戻すようになった。
見ているだけで辛くなる。
唯ちゃんが辛い目に遭うことなんて分かっていた。
唯ちゃんが大切だから、一生二人でいいなんて思ったりもした。
だけど、いざとなるとやっぱり嬉しくて。
俺なんかに想像出来ないほど唯ちゃんは苦しむだろうに、頑張ってほしいと思った。