ドキドキドキドキ……
訳の分からない震えがあたしを襲う。
意識したら止まらなかった。
そして、願わずにはいられなかった。
あたしのお腹に蒼の子がいて、元気に育ってくれていることを。
そして……
「おめでとうございます」
待ちに待ったその言葉。
そしてさらに思いがけない結果が。
「二卵性の双子だね。
まだ赤ちゃんは見えてないけど。
上手くいくと来週には心拍が見えるよ」
え……双子!?
あたしは蒼を見上げていた。
蒼は嬉しそうにあたしを見た。
何だか信じられない。
正直まだお母さんになる心の準備はない。
でも、本当に嬉しい。
エコーの写真はまだ人の形もしていなくて、ただ小さな丸が二つあるだけだったけど、やけにそれが愛しく思えた。
だけど、先生は心配そうな顔をしていて。
厳しい現実を告げられた。
必ずしも元気に育つとは限らないこと。
もしかしたら、片方だけになってしまうかもしれないこと。
無事に育っても、早産やその他のトラブルのリスクは単胎よりも大きいこと。
不安になることばかりだったけど……
「大丈夫だよ」
笑顔で蒼は言った。
「だって、唯ちゃんと俺の子供だよ?」
そうだよね。
何と言っても蒼の子供だから。
だから、きっと元気に産まれてくれる。
あたしはそう信じている。