だけど、渋い顔のままの蒼があたしに言う。
「悪いけど、俺たち暇じゃないんだ」
暇じゃないって……
麻衣子ちゃんなんてもっと多忙!
そんな言葉が口先まで出かかった。
「唯ちゃん?
俺、一月から職場復帰だよ?
しばらく仕事に集中したいのに」
「俺も店の経営方針とかメニュー考えねぇと」
「俺だって年始は確定申告で忙しいんだよ」
そっか……。
あたしの馬鹿、大事なことを忘れていた。
三人は、Fだけが仕事ではないと。
プライベートでは一般人と同じだけ働いて、尚且つFの活動をしないといけないなんて。
あたしの考えが浅はかだったと気付いた。
あたし、もっと蒼のこと考えないと。
八年間も一緒にいたのに、まだ蒼のこと分かっていなかった。
「ごめん……」
思わず謝ると、
「唯ちゃんは悪くないって」
いつものように笑顔でそう言ってくれる蒼。
そんな蒼の笑顔を見て、なんだか泣きそうになった。



