「わぁ!美味しそう」
思わず声をあげてしまう。
あたしの前には揚げたての唐揚げやフライドポテトが盛られていて。
箸を伸ばすと、
「唯はこっちだろ」
あたしの前に湯気をあげる煮込みうどんが置かれた。
賢一の料理の腕はさすがだ。
フランス料理以外にも。
どれだけあたしが頑張っても、足元にも及ぼない。
栄養満点の煮込みうどんを眺めているあたしの隣で、蒼が眉間にしわを寄せて唐揚げに箸を伸ばしていた。
「ねぇ、蒼。
いい加減に料理の勉強しなよ。
賢一が暇だったから良かったものの、今後大丈夫なの?」
DSをしながら、慎吾が笑う。
「お粥ごときで鍋台無しにして。
だからMYに馬鹿にされるんだよ」
「……はぃ」
蒼は弱々しくそう言って、しかめっ面のまま唐揚げを頬張った。