「唯ちゃん!!」
蒼の声で我に返る。
あたしの前には蒼の心配そうな顔があって。
両手をぎゅっと握られたまま、あたしの上に被さっていた。
ドキン……
鼓動が速くなる。
ほら、反則。
あたしはこうやってすぐに、蒼に翻弄される。
「唯ちゃんやっぱりおかしいよ?」
蒼のせいだよ。
「顔色も悪い」
それもきっと、蒼のせい。
「熱測ってみようか」
そう言って、あたしのおでこに蒼のおでこをつける。
ひやっとして、ふわっと蒼の香りがして、さらに身体が熱くなる。
あぁ……あたし、こうやって逃げられないんだろう。
蒼に一方的にドキドキしているんだろう。
「やっぱり熱あるね」
蒼はそう言って、心配そうな顔をした。



