「あ、そういえばトイレ行きたい。
トイレ貸してくんない?」
麻衣子ちゃんの言葉に、あたしは安心しきっていた。
だから何も考えず、麻衣子ちゃんにトイレの場所を教えた。
ジャーっと水の流れる音がして、ドアの音がして……
しばらくして………
「唯ちゃん」
震える声が聞こえた。
ドキッとした。
あたしはその場で飛び上がった。
状況を見なくても理解出来た。
麻衣子ちゃんはあの部屋にいるんだ。
そして、MYのCDや楽譜を見てしまったんだ。
どうしよう。
今さらファンですなんて、口が裂けても言えない。
あたしはMYのファンだけど、麻衣子ちゃんのことも大切に思ってる。
それを何とか伝えなきゃ。
心臓がバクバク音を立てた。
嫌な汗が背中を流れた。
きっと、あたしは泣きそうな顔をしている。
「麻衣子ちゃん……」
苦し紛れに彼女の名を呼んだ時……
「なに……これ……」
麻衣子ちゃんの震えた声が聞こえた。



