あたしの手を引いて歩き続けるMYは、あたしの知っているMYとは全く違った。
ふんわりとしたオーラは皆無。
むしろ、優弥さんみたいなカリスマオーラが漂っていて。
すれ違う人みんなが振り向いた。
その長い足でスタスタと歩き、迷う様子もなく道を曲がる。
そして、人混みの少ない通りに出ると、彼女はやっと立ち止まった。
そして、ぱっとあたしの手を離す。
「悪かったね。無茶させて」
その声はあの歌声とは似ても似つかない低い声。
その迫力に押され、何も言えないあたし。
MYはそんなあたしを一瞥し、煙草を取り出し火をつけた。
そして、
「もういいよ。あんた帰りな」
そう言って、煙草の煙を吐き出した。
見かけ、声、しゃべり方、あたしの方が五歳も年上なのに、このスパッとした態度。
全てが想像と違う。
目が点のあたし。
確か、蒼に会ったときもそうだった。
あまりのギャップにただ戸惑うばかりだった。
でも、あの頃の蒼は苦しんでいたんだ。
碧として接せられることに。
本当の蒼は、碧じゃなかった。



