部屋の中央では、賢一が持ってきた肉まんをみんなが食べていて。
美味しそうな香りが部屋に充満していた。
そして、彼らは蒼の話で盛り上がっている。
「蒼、ちゃんと仕事してますか?」
慎吾が聞くと先輩らしき人が、
「戸崎は頑張っています」
にこやかに答える。
そんな言葉を聞くと、あたしまで嬉しくなった。
その隣で、中山さんが涙を溜めて慎吾と賢一を見ていた。
どうやら中山さんは根っからのF信者のようだ。
「まじか!?やるじゃん、碧」
わざとそう言う賢一に、
「あー、もう!うっさいなぁ!!」
蒼は心底嫌そうな顔をする。
そして、
「もう帰って!
はい、門限門限!!」
居座る慎吾と賢一を無理矢理追い払おうとする。
だけど、簡単には引き下がらないのが二人だ。
「肉まん投げしねぇ?」
なんてお得意のお馬鹿発言を始めたから、蒼が賢一を引きずり出していた。