「唯ちゃん、なんかごめんね」




蒼はあたしを見てぽつりと呟いた。




「え?」




慌てて聞き返すと、




「せっかく早く帰ってくれたのに、こんなことになってしまって」




蒼はそう言って、申し訳なさそうな顔をする。




蒼は本当に優しい。

あたしの気持ちを一番に考えてくれる。

でも、あたしは少しも嫌がってないよ。

だって、みんな蒼を心配して来てくれたんだから。

風邪をひいただけで家まで来てくれる人、そうそういないよ?

これも、蒼がみんなから好かれている証拠だね。