「北野さん。本当にここに来て良かったんですか?」 無理矢理連れてきた中山が、泣き腫らした目で俺を見る。 「仕方ないよ。 自宅にはいなかったし。 車、停まってたし」 「戸崎さん、嫌な顔しないですかね?」 俺は返事が出来なかった。 戸崎は嫌がるに決まっている。 自ら会社との関わりを経ったのだ。 今さら俺たちが出ていっても迷惑だろう。 だけど、専務からの命令だから。 それを伝えるのが俺の義務。 その後は……戸崎次第だ。