蒼はふふっと笑う。




「慎吾も賢一も頑張ってるんだよ?

優弥こそ大変だし。

それにね、俺一人じゃあの世界では生きていけない。

Fだから何とかなるんだよ?」



「え?」



「羞恥プレイは週三時間が限界」



「羞恥プレイって、また……」




めちゃくちゃかっこいいのに。

痺れてしまうのに。





ふと、暗闇の中蒼を見る。

そのすーっと通った鼻筋が微かに見えた。

そして、身体が上下して。

静かな寝息が聞こえてきた。




蒼、疲れているんだね。

当然だよ。

だって、今日のライブもすごく良かった。






あたしはぎゅっとその手を握る。

大きくて、カサカサで無骨なその手。

あたしの大好きなその手。

もう二度と離さない。

蒼がいなきゃ、生きていけない。