ドカッ…… 鈍い音が響き渡った。 そして、あたしを離した蒼は脇腹を抱えてうずくまる。 その横に、優弥さんそっくりの鬼の形相で立つ紅さん。 「あんた、相変わらずイラつく奴だね」 「ひっ……」 泣きそうな顔で紅さんを見上げる蒼。 「ライブの感動なんて返上してあげる。 キモい! キモすぎるんだよ!!」 「ひぃぃぃ……」 目の前にいるのは、いつものヘタレな蒼。 あたしの大好きな蒼。 そんな蒼を見ると、何だか安心した。 ……そうだよ。 あたしは、蒼の全てが好きだから。