どうやら、彼らは蒼の会社の同僚らしい。
何回か会ったことはあったし、蒼から話を聞いたこともあった。
確か蒼が言ってた。
すごく蒼に厳しい後輩がいるけど、Fの大ファンだったって。
一番若い男性が、その彼かもしれない。
蒼は少し困った顔をしながらタオルとビニール袋を出し、床に散らばったグラスの破片を集めようとする。
だけど、
「戸崎さん!
手ぇ怪我したら駄目じゃないですか!?」
その男性がタオルをぶんどり、グラスの破片を集め出した。
確かに。
口調はキツイけど、蒼が大好きなんだろう。
「中山、大丈夫だよ。
怪我しても仕事は出来るし……」
蒼が困ったように彼に近付くと、中山と呼ばれた彼はすごい顔で蒼を睨む。
もう、どっちが先輩でどっちが後輩か分からない。



