ううん、なんでそんなに……
なんでそんなに蒼はあたしのことばっかり考えてくれるの?
垂れている蒼の頭に手を伸ばす。
愛しい感触。
微かに蒼の香りがした。
こんなに近くにいて触れられるのに。
なのに、また蒼が消えてしまう気がして。
怖い。
蒼が幻ではないかなんて思ったりして……
「唯ちゃん……」
ゆっくり上げられた蒼の視線があたしを捉える。
あたしの大好きなその優しい瞳。
蒼を独り占めしたい。
「俺さ、もう絶対唯ちゃんを離さない」
遠慮がちにあたしの身体に手を回し、ぎゅっと抱きしめてくれる。
その温もりを全身で感じ、少しだけ実感する。
蒼があたしのもとにいることを。
「俺がどれだけ悪者になっても、唯ちゃんが嫌がっても、もう唯ちゃんを不安にさせない」
その言葉は本当だよね?
……うん、あたしは信じてる。
だって、蒼も震えていたから。
蒼の鼓動もすごく速かったから。
あたしもね、蒼から離れたくない。
離れられないよ。



