スタジオから出ると、辺り一面が雪で覆われていた。

暗い道路も、雪で照らされてぼんやり輝いている。

白銀の世界と降り止まない雪は、まるで異次元のようだった。

そんな中、あたしたちは手を握り、裏口に停まっているタクシーに無言で乗り込んだ。





優弥さんによると、スタジオ付近にも報道陣が来ているらしい。

そして、この騒動の中自宅へ帰るのは精神衛生上よくない。

蒼はライブを控えている身だから。

だから、優弥さんはホテルを取ってくれた。

会員制の素敵なホテルを。