早川さんは納得がいかないようで、涙で濡れた顔を上げて優弥さんを睨む。
その形相が鬼のようで恐ろしい。
天使みたいな早川さんの本性を垣間見た。
「でも、戸崎さんがあたしを抱いたのは本当です。
あの写真……」
「三十秒で出てきたじゃん」
中山さんが困った顔でそう告げる。
そんな中山さんを、早川さんは鋭い目で睨んだ。
「あの夜、戸崎さんがどうしても心配で、俺は後を追いかけた。
確かに早川さんは泥酔した戸崎さんをホテルに引っ張り込んだけど、戸崎さんが暴れて三十秒後に出てきたよ」
「……っ」
歯を食いしばる早川さん。
「三十秒!?やべぇ、超速ぇな」
ニヤつく賢一。
そして慎吾も黙っていない。ほっとしたように笑い、
「蒼ってやっぱり早ろ……」
と言いかけたとき、
「てめぇらは黙りやがれ!!」
とうとういつもの優弥さんの雷が落ちた。
中山さん、北野さん、そして早川さんはビクッと飛び上がったが、慎吾と賢一はヘラヘラ笑っている。
あぁ、なんだかやっといつもの空気になってきたって感じだ。
この雰囲気が懐かしくて。
何より蒼が無罪だったことが嬉しくて嬉しくて。
瞬く間にあたしの視界は涙でぼやけていった。
良かった。
Fはまだ解散しないんだ。
それに、あたしはまだ蒼の隣にいることが出来るんだ。



