「例の事件があったのはいつだ?」
「先々週の金曜日。
……忘年会の練習をした日です。
戸崎さんは酔っていて。
休みたいと、戸崎さんからホテルに誘いました」
えっ……
予想外の言葉に、思わず蒼の手を振り払う。
どうしよう。
あり得ないくらい心臓が速くて、倒れてしまいそう。
「関係があったのは、その一回か?」
「はい。
……でも、鮮明に覚えています。
ベッドの中の戸崎さんはすごく優しくて……」
嫌だ。
あたしだけの蒼なのに。
なんで……
なんでこんな女を!!
呼吸が速い。
胸が苦しい。
頭がぼんやりする。



