そして……
午後五時半。
あたしはオフィスを飛び出した。
蒼が心配だ。
それに、蒼に会えるのがすごく嬉しかった。
いつも多忙な蒼。
残業したり、Fの練習をしたり、会社の付き合いがあったり。
結局、二人の時間が取れる時なんて、滅多になかった。
それはあたしも覚悟していた。
八年間付き合って蒼の性格も知っていたし、昔から多忙だったから。
だけど、あたしはそんな蒼が大好きだ。
自宅近くのスーパーで、ポカリスエットや蒼の好きなお菓子、その他食材を買い、家に向かう。
そして……
「ただいま!」
そう扉を開けた時……
あたしは固まっていた。



