ただ突っ立っているあたしの背中を、賢一が静かに押した。
あたしは倒れこむように蒼の隣に座り……
蒼がその手を伸ばす。
そして、蒼の手とあたしの手が触れた瞬間、甘い電流が走り……
それを振り払うかのように、あたしは蒼の手を叩いた。
「ごめんなさい。
……あたしのせいです」
何言ってんだよ、あたし!
「あたしが蒼を管理出来ていなかったから。
妻だったのに、放置してたから……」
「違う!!」
蒼は叫んで、再びあたしの手を握る。
暖かくて、大きくて、そして少しひび割れの出来たその手。
あたしの大好きな手。
二度と離さないと思ったのに……
再び溢れ出す涙。
大好きな蒼の手を濡らしていた。



