賢一はゆっくり扉を開き……
明るい光が溢れ出す。
怖くて前を向けなくて。
ただ俯くあたし。
「唯ちゃ……」
大好きなその声が少しだけ聞こえて……
見たくなくても、顔を上げてしまうあたし。
そして、あたしの目に飛び込んだ光景。
その光景に唖然とした。
スタジオの奥の椅子には、優弥さんが腕を組んで座っている。
その隣には慎吾。
神妙な面持ちをしている。
そして、なぜか蒼の同僚の中山さんや北野さんまでいて……
スタジオの中央には、早川さんが座っていた。
……力無く、倒れ込んでいた。
その頰は涙で濡れ、真っ赤な目であたしを見、目を反らした。
そして……
「蒼……」
思わず、その名を呼んでしまう。
その大好きな名前を。
駄目だ、やっぱり駄目だ。
会ってしまったら、何もかもが駄目になる。
好きという気持ちがこみ上げてきて。
蒼のためにも別れないといけないのに、すがってしまう。



