「そうだよね。
あたしがFの碧と結婚なんて、身分不相応だった」
自分に言い聞かせたつもりだった。
蒼に会っても、毅然とした態度が取れるように。
「……そうだな」
賢一は静かに言う。
「蒼は人気者だからな」
やっぱり、賢一もそう思ってたんだ。
そりゃ、そうだよね。
蒼に比べてあたしはあまりにも平凡。
可愛くもないし、頭も大して良くない。
運動だって出来ないし……
「でも、唯がいたから今の蒼がいるんだろ?」
なんで……
なんでそんなこと言うの?
そんな期待を持たせること、言わないで。
ー唯ちゃんのおかげだよ。
蒼の笑顔が頭から離れない。
「ほら、寒いから行くぞ?」
賢一はそう言って、あたしの背中に優しく手を伸ばす。
「今夜は大雪だ」



