「唯……」 辺りはすっかり暗くなり、仕事から帰ってきたハルが、遠慮がちにあたしに言う。 「俺は信じてない」 あたしだって、信じたくない。 「唯は直接聞いたのか?その女から」 「でも、蒼は……」 赤ちゃんのエコーまで見せてもらったんだよ!? 今さらどうにもならないよ。 ハルは黙ったまま、携帯を取り出した。 そして、 「賢一。唯がいた」 静かにそう言った。