ー唯sideー
たくさんの人から連絡があった。
家族、紅さん、優弥さん、賢一、慎吾、亜美……
それでも、蒼からの連絡はなかった。
履歴には、蒼から届いた数々の履歴。
ー唯ちゃん、遅くなってごめんね。
ーもうすぐ帰るよ!アイス何味がいい?
ー唯ちゃん、大好きだよ
こんな優しい言葉を、もう二度とかけてもらうことは出来ない。
涙も出ず、ただ心臓がバクバクと音を立てるだけで、あたしはただ一点を見つめて座っていた。
芽衣に気を遣わせたくない。
だけど、そんな余裕もない。
帰る場所もないあたしの脳裏には、ただ楽しかった記憶だけが蘇っていた。



