「唯ちゃん?」 不意に大好きな蒼の声が聞こえて、顔を上げた。 少しだけ胸の苦しさも落ち着いてくる。 玄関に膝をつきながら彼を見上げるあたし。 蒼は泣きそうな顔であたしを見ていた。 「唯ちゃん……」 そして、消えそうな声であたしを呼ぶ。 それではっとした。 一番辛いのはあたしではない。 蒼だ。 それなのに、こんな時にも蒼はあたしのことを気にしてくれる。 「唯ちゃん……ごめん……」 「あたしは信じてないよ」