「あ、戸崎さん?」




あたしの視線に気付いた彼女たち。

週刊誌を持って、あたしに近付いてきた。




ドキドキドキドキ……





鼓動が速くなる。

だけど、きっと週刊誌は問題ない記事だ。

蒼の出まかせだ。そう思った。






だけど……






「これ」




目の前に開かれた記事の文字が、頭に入ってこない。




「戸崎さんもF好きだったよね?」



「あたしも碧好きだったのに。

でも、本気で不倫とかされると、引く」



「え……」






徐々に視界に入ってくる記事と写真。

その記事はただあたしの頭を真っ白にしていくだけだった。