「それよりね、戸崎さん?
ライブ、行きますよぉ」
その言葉に、一同はびっくりして早川さんを見ている。
そして、蒼は苦い顔をして横を向いた。
だが……
「あたしね、玄の大ファンだったんです!」
その言葉にホッとしたあたし。
そして、どうやらホッとしたのはあたしだけではない。
蒼はえっ?と笑顔で早川さんを見ていた。
助かった。
早川さんの本命は、蒼じゃない!
「それなら彼に連絡とってあげるよ」
超笑顔で言う蒼に、
「だめ」
もたれかかる早川さん。
ピリッと顔に不安が走る。
「今は玄じゃない。
……あ、な、た」
そう言って、蒼の顎を優しく撫でる。
な……なに!?
この女、あたしが黙ってると思ってたら、やりたい放題じゃん!
蒼はあたしのなのに!
あたしじゃなきゃだめなのに。
こうやってあたしに戦線布告しているんだ。
だけど……
あたしは何も言わない。
蒼を信じてるから。
こんなぶりっこの誘惑なんかにひっかからないはずだよ!?



