その胸に顔を埋めるあたしの髪を、蒼は優しく撫でてくれた。
顔を上げ、いつもの蒼がいることを確認して、再び胸に顔を埋める。
蒼の胸は冬なのに少し汗ばんでいて、そして温かかった。
あたしは馬鹿だ。
再びFが活動を始めても、人気者になっても、蒼は何ら変わりない。
卑屈になって変わってしまったのは、あたしのほうだ。
「Fはクールでかっこよくないといけない」
蒼は静かにそう言った。
「俺の間抜けな顔が世間に知れ渡っても、いくら優弥が暴露しても……
でも、碧はかっこよくないといけないんだよ」
それはまるで、自分に言い聞かせているようだった。



