「ヤバい!碧、超かっこよかったね!!」
会社でもその話題でもちきりだった。
「雰囲気全然違ったし。
碧、俳優になれるよね」
いやいや、演技でも何もないんだけど。
そう思いながら、碧の話題が出るたびに飛び上がっていた。
街中はFの新曲が流れ、Fの話題が飛び交っていた。
それは、数年前の最盛期を思い出させるほど。
そして、あたしの小さな不安を掻き立てる。
だけど……
人々から見たら、クールでSでかっこいい碧は、あたしにとっては甘えん坊で優しい蒼。
そんな蒼があたしから離れていくはずがない。
いつものことながら、そう思うことにした。



