「唯ちゃん。お金もったいないよ?」
「蒼の飲み代のほうがもったいないよ」
「うちにサンプルあるじゃん」
「サンプルなんていらないの!」
そう言って開けるダンボール。
なんだろう、この気持ち。
久しぶりに胸がドキドキして、身体が震えて。
改めて思った。
あたしは、Fの復活を心から待っていたんだと。
「いまどきCDなんてねぇ。
パソコンでダウンロードの時代なのに」
蒼はそう言って、寒いのにアイスを二本取り出す。
そして、一本をあたしに差し出した。
ありがとうと言うと、満面の笑みで笑う。
あぁ、この笑顔が大好きだ。



