「そうそう」
隆太は特に関心なさそうに付け加えた。
「艶さん、交換条件出したみたいだね」
「え?」
「君の出演を許可するけど、次のFのMV撮影を格安でするようにって」
「……はぁ」
さらに複雑な顔をする蒼。
さすがやり手の優弥さんだ。
こうやって、超一流の監督や映像スタッフを買い取ってしまうなんて。
だけど……
その犠牲になった蒼が何だか可哀想な気がした。
そんな蒼は、
「じゃ、俺たちは楽しもうね、唯ちゃん」
すでに楽しみモードに切り替わっている。
この切り替えの速さには毎度のことながら関心する。
こんな蒼だから、Fも務まるのかもね。
「俺たちがラブラブなとこ、見せつけてあげよ」
そう言って手をぎゅっと握る。
あたしの胸はやっぱり熱くなって、ぎゅーっと絞られて。
蒼から離れられなくなる。
蒼が顔バレしてしまっても、あたしがMVに出てしまっても、こうして蒼と再び結婚式を挙げられることが幸せとさえ思ってしまう。
「唯ちゃん。
ほんと可愛いね」
何言ってるの。
蒼なんてかっこよすぎて直視出来ないくらいなのに。



