「もうね、このまま逃げ……」
「させないよ」
ヘタレ顔の蒼の後ろから、得意顔の隆太が覗いた。
隆太も蒼みたいな白いタキシードを着ていて。
アイドルオーラ満載だ。
だが、顔だけは意地悪く歪んでいる。
「君たちにかかってるんだ。
存分に働いてもらうよ」
「え?俺……プライベート……」
「君はプライベートでいいんだよ。
こっちだってFモードで挑まれたら困る」
「え?」
「僕たちのMVに必要なのは笑顔だから」
そう言って、得意の営業スマイルを炸裂させる。
それを見て、蒼は複雑そうな顔をしていた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…