「冗談でしょ?

てか、俺が出ていいと思う?」




蒼は固まったまま隆太に詰め寄る。

それでも隆太は王子スマイルを炸裂させている。




「新婚夫婦役の役者さんがいたんだけど、急遽重病で来れなくなって。

僕たち途方に暮れているんだ」



「だからって、何で俺と唯ちゃんがぁ!?」




蒼から、碧はもう完全に吹っ飛んでしまっていた。

今はいかにこの危機を切り抜けるかだけを考えているようで。




「俺たち出たらギャグだよ。

ね、そうでしょ?隆太、そうだと言って!!」




蒼は半泣きで隆太にしがみついていた。