「唯ちゃん、大丈夫だって!
もう、よっぽどの人じゃないと気付かないよ」
蒼は楽観的に笑っていた。
「だって、地下鉄にも乗ってるし、都心歩いても平気だし!」
確かに最近蒼は一般人に溶け込んでいた。
でもね……
気付いても気付かないフリをする人も多いと思うよ。
特にFはプライベートがあるからメディアに出ないとまで言ってるんだから。
蒼はそんなあたしの心配をよそに、あたしの手をぎゅっと引く。
そして、新婚夫婦に会釈をして、島の裏側へと歩き出した。
島の裏側には、綺麗な白い砂浜が広がると聞く。
蒼はそこへ行きたいらしい。
だけど、何だか嫌な予感がするのはあたしだけ?
蒼の手をぎゅっと握りしめた時だった。



