そして……
あたしを焦がす、その歌声。
初めて聞いた時からあたしを掴んで離さなかったその歌声。
時に力強く、時に切なく。
全身を甘く抱きしめられているようで、
耳元で甘い息を吹きかけられたようで、
毛穴がキュッと収縮する。
あぁ……
いつまで経っても慣れない。
あたしはいつも、碧に狂わされる。
心臓に毛があれば、それが逆立ったような感覚だ。
本当にすごい。
いつもはあんなにおちゃらけているのに、このギャップは何だろう。
新曲といえど、あたしは何回も聞いたことがあるのに。
なのに、今日も涙が出てきそうだ。
曲は何とも言えない余韻を残して終わった。
身体が熱くて、鼓動が速くて、頭がぼーっとして。
まるで、碧に抱かれた後のようだった。



