あたしたちの間に沈黙が訪れる。
彼は目を丸くして、蒼の顔を見ていた。
「君……」
彼の声は震えている。
時代は過ぎても、やっぱり知る人は知る。
特に業界人は。
蒼は正真正銘Fの碧。
「もしかして……」
彼が静かにそう言った時……
「本当にファンなんです!」
とうとう蒼が口を開いた。
そして、その口からは溢れる思いが次々に飛び出してくる。
まるで、堰を切ったように。
「中学生の時から、本当に好きでした。
YouTube見た時、一瞬でファンになりました。
それから毎日動画見て、文化祭でも馬鹿fiveやったりして。
大阪までライブ行ったりして。
それで俺……」
蒼は口をぎゅっと噤み、涙の溢れそうな目尻に手を当てる。
「俺……今日のライブ見て……
やっぱり感動して」
そして蒼は言った。
「ごめんなさい」
と。



