あたしがぎゅっと蒼のシャツの裾を握った時……
開演のアナウンスが流れた。
そして、アナウンスが止まった瞬間、轟音が鳴り響き、ステージが眩しく輝いた。
Fとは全然違う。
その名の通り、馬鹿なグループだった。
踊ったり、ふざけたりして。
でも、腕は確かだった。
馬鹿なパフォーマンスの間の真面目な演奏。
整っていて、洗練されていて。
胸にぐっとくる。
だけど次の瞬間、笑いの渦へと巻き込まれていくのだった。
「みんな乗ってるか?」
その問いかけに、会場が沸く。
そして、蒼も手を振り上げ叫ぶ。
「一番後ろまで、みーんな見えてんねん!」
「嘘つけ」
「嘘ちゃうし!
この眼鏡、双眼鏡機能も付いてる眼鏡やねん!!」
「お前アホちゃうか?」
その掛け合いもさすが関西。
気付いたら、あたしも大声で笑っていた。



