あたしの部屋番号は「55」。
今通る部屋が「48」だから、もうすぐだ。
次が自分の部屋というところまで来たとき、ふとちらりと、「54」の部屋の中の人を覗いてしまう。
…可愛らしい、男の子がキーボードに手を預けて瞼を閉じていた。
男の子なのに長いまつげに一瞬どきっと心臓が高鳴る。
いつの間にかその場に止まって見惚れていたのか、その子が目を開けてちらりとこちらを見たことではっと我に返り、慌てて頭を下げて壁に隠れるようにしてしまう。
…って、何してんだろあたし……。
隠れる必要ないじゃん…!
はぁと小さくため息をついてから自分の部屋、「55」の扉を開いて中に入る。
かちゃんと鍵をつけて、鞄を机の端に置く。
ゆっくり椅子に腰かけると、両手を投げだしてぼーっとしてしまった。
綺麗な子だったな……。
青いタンクトップに深緑色のハーフパンツ。
白い肌に細い手足。手首なんて、あたしが片手で握れば指がひっついてしまいそうなくらい細かった。
何処か色気を感じさせて、でも童顔で。
年上なのか年下なのか分かんない。そんな子だった。
…まぁ、もう会うこともないんだろうけど。
