意味がわからない。




どういうこと?




今あたしがした涙の熱弁は?





「俺、ずっと華ちゃんが無理して付き合ってくれてるのかと思ってた」




高崎は机の上に伏せながら言う。




無理して付き合って……


って



「んなわけないでしょ!?」




無理してたらとっくに別れてるわよ!!



「いや…だって、いつもそっけないし俺ばっか話してるし」




「そ、れは……その、なんていうか……」




…………たぶん照れ隠し。




そんなこと、言えないけど。





「だから必要以上に近づいて嫌われるなら、ずっとこのままでいいや…って」




「なによそれ……」




いままで考えてたことが、馬鹿みたいだ。




なんだか急に胸が苦しい。




高崎の言葉が、

声が、

照れた顔が

あたしの心臓をぎゅうぎゅう締め付けてくる。





きっとこれは

彼が好きで好きでたまらない証拠。




「…………あたしの事好きなら、必要以上に近づきなさいよ…」




「へ?」




自制心なんか、今のあたしにはまるでなかった。




「〜〜〜ッ!」



高崎はポカンとしている。




「…心配しなくても、アンタのこと好きって言ってんの!!それくらい察しなさいよ馬鹿!」





耳まで熱い。



高崎からはなんの返事もを帰ってこなくて、さらにあたしの顔を熱くする。



静かに立ち上がった彼は、無言のままあたしのことを立たせた。



「な、なに_____ッ」



高崎の大きな手が、私を引き寄せた。



「俺、幸せすぎて死にそう…」



今度は心臓だけじゃなくて、身体ごと高崎にぎゅうっと抱きしめられる。




彼氏に抱きしめられる、

言葉ではたいしたことないのだろうけど


こんなにも幸せな事なのかと、


嬉しくて、涙が出そうだった。




「言っとくけど、俺が華ちゃんのこと嫌いになることなんてありえないよ」



耳元で囁くその声は、何時もの彼の声とは少し違う。



「何年越しの片想いだと思ってんの?」




ドクンと、心臓が大きく跳ねた。