公園の入口に着き、奥のベンチを見ると、
大上さんが、座っていた。


駆け足で、ベンチへ行く。


足音に気づいたのか、こちらを見る。


「遅い!」

「急いで、来たんです。」


そう言って、一目を気にせず、座っている
大上さんの首に両腕で抱きついた。


大上さんは、目が点になっていた。


しかし、私の行為を拒否する訳ではなく、

「そんなに俺に会いたかったんだ。」

と言って、ニヤニヤしていた。


私は、


「あ、会いたかった・で・す。」

言うのが恥ずかして、小声で、でも、正直に
言った。


「そっか、そんなの俺のこと、好きなんだ。
完璧俺のだな。」

笑を浮かべながら、呟いた。