単なる暇と鬱とを一緒にしちゃ本当に具合悪い人には失礼か……


でも暇な時間を何とかしたいのに、友達にでさえ連絡を取るのが億劫。


朔羅は昨日遊んでくれたけど頻繁に会えるわけでもないし、エリナはストーカー被害で家に籠りきり。


こっちはあたしなんかよりかなり深刻だよね。


エリナとは近況報告だけは何とか交わしているけどお互い家に居るもんだから、そう代わり映えもせず。


やっぱり…


暇!


大人はよく「時間が足りない!」て喚いているけど、そんな人にこの暇な時間を売ってあげたいよ。←あげるんじゃなくて、売るんだ?(苦笑)


あたしは何度目かになる雑誌を読み終わって、開いたり閉じたり。


朔羅―――フレガの読モになるかもって言ってた。


そしたらあたしきっとお小遣いで買えるだけ雑誌を買い込むよ。


朔羅だったら読モだけじゃなく本気のモデルにだってすぐになれるはず。


そんな夢を描きながらパラパラとページをめくっていると、


巻頭ページに見知った顔がドンと大きく映っていた。


その雑誌はあたしのお姉ちゃんが昔に買ってた雑誌で、自分の雑誌を読み終えちゃったから借りてる状態だけど。


『彼氏をトリコにする夏のコーデ、適度な肌見せアイテムがマスト』ていう題名。





“you”―――






見開きのページに映った、完璧な美しさを湛えるyouの姿を目に入れると、あたしの心の中に重い重い―――……まるで鉛のような何かが沈んでいく。





響輔さんはこんなにきれいな人と仲良しなんだ―――



それを考えると




チクリ


胸が痛んだ。