□偽医者!?□


戒のヤツ何だったんだ??


あんなに「一緒に居る」って言い張ってたくせに、外科医の先生が現れてから急に態度変えやがって。


と、不思議そうに首を捻って、前を歩く医者の背中を見た。


スラリと背が高く、細身で、しかも



すっげぇ!イケメンだった。



歳の頃は20代後半ってとこか。叔父貴と同じぐらいの年齢のように思えた。


黒いサラサラの髪、白い肌、優しそうな爽やか笑顔。


しかもこのイケメンドクター、香りまでもイケメン!!


香水だろうか、爽やかな香りがすっげぇいい香り。


でも


こんなドクターいたっけ??


まぁ、あたしがお世話になってるのはドクター鴇田だしな。それ以外はあんま知らないってのが正しいか。


しっかし、ドクター鴇田以外は強面揃いの医者が多いのに、この人“この世界”の人じゃなさそうな感じ。


イケメンだけど、言っちゃ悪いが弱そうな感じだし。


どっちかって言うと、病弱で病院に入院してます的な??そっちの方が合ってる気がするけど。


「あの……先生…」


思わず呼び止めると


「何か?」と先生はにっこり笑顔を浮かべて、呼び止めたはいいけど何を言えばいいのか、


「いえ!何でもありません!」


慌てて手を振る。


「処置自体はそれ程時間が掛かりませんが、それよりおうちの方を呼ばれては?」


と、やんわりと促され、


「あ!そうだった!!マサに迎えに来てもらわなきゃ!」と慌ててケータイを取り出した。


外科、って言うより精神科の先生みたいだ。かかったことないけど、何となくイメージで。優しそうな感じだし。


龍崎家に電話して、ちょっと転んで怪我をした(←嘘)を伝えると、案の定マサがすっ飛んでくると言う。


とりあえず、戒の言いつけ(?)通りマサも呼んだし、早く診てもらって帰ろ。