榊くんは榊くんなりに寂しい思いをしていたんだ・・・。
私だけじゃないんだ・・・・。
「輝流の口からね、友達との話なんて聞いたことなかったの。
でも、今の高校に入ってから、よく聞くようになった。
郁美ちゃん、あなたの話を」
「私の・・・ですか?」
「ええ。
あなたとの話を沢山してくれるの。
2人で授業サボった話とかね」
あの屋上までダッシュした時の話だ。
っていうかあの時、榊くんは息切れしていなかった。
あれ・・・少し我慢していたのかな?
私より体弱いんだし・・・。
「大丈夫よ郁美ちゃん。
輝流は郁美ちゃんを責めたりしないから」
「え・・・?」
「郁美ちゃん、今考えていたでしょ?
屋上までダッシュした時に輝流が大丈夫だったか」
「なっ・・・!」
何で気が付いた!?
「郁美ちゃん、顔に全部書いてあるわよ」
「え・・・?」
榊くんも同じこと言っていた・・・。
わかりやすいのか?私って。
「輝流のことなんて気にしないで良いのよ?
自分がやりたくて走ったんだもの。
あの子、ハッキリと物事を断れる性格をしているから、もし郁美ちゃんが輝流を屋上まで走って連れて行こうとしても、あの子は断るはず。
それを断らず、尚且つ自分から走り出したんだもの。
嫌だなんて思わないわ」


