「・・・やっと着いた」



学校から駅まで20分、そこから電車で1時間。

1時間20分かけ、私は榊くんの住む市へとやってきた。



多分、私が住む遥華市よりも、ずっと都会だ。

ビルが多く、車が沢山走っている。

初めての場所だ・・・。



担任は抜けている所が多いのんびり屋さんだが、地図を書くのはやけに上手い。

細かい所まで書いてくれたから、迷わず進める。




駅から榊くんの家まで、徒歩10分。

近いんだなー。



ふと見ると、榊くんの家らしき家の前に、女の子がいた。

金髪に近い髪を腰まで下ろし、派手なメイクをしている。

でもあの制服は、この市にある進学校の制服だ。

榊くんが通っていたという・・・高校の。



女の子は暫く立っていたが、走って行ってしまった。

インターフォンとか、押す勇気がなかったのかな?

っていうか、あの女の子、誰?

榊くんの知り合いなのは確かだと思う。

・・・彼女なのかな?

まぁ、私には関係ないけど。






私は迷わずインターフォンを押した。