「何か、今日の伊織君変だよ?」 「そう?」 「うん」 小さく頷いたと同時に、図書室の扉がガラッという音を立てて勢いよく開いた。 何事かと音のした方に目をやったあたしはハッとした。 扉の前に海星君が立っていたから。 「……――海星君!!」 やっぱりさっきの声……海星君に届いてたんだ! 嬉しくなってニコッと笑うあたし。 だけど、海星君の表情は何故か不機嫌そう。